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元割烹が始めた人気惣菜店。看板商品は魚の加工品だ。代々受け継ぐ職人こだわりの調理で、鮭の焼漬け・鮭の昆布巻き・お茶漬け用の鮭ほぐしなどを製造・販売している。

越後魚伊 地域に愛される惣菜店

魚の加工品が主力の惣菜店

長岡市の越後魚伊(うおい)は、魚の加工品が主力の惣菜店。店内のショーケースに、鮭の焼漬け・サバの味噌漬け、にしんの昆布巻きなど20種類以上が並ぶ。どれも「甘めの味付けが美味しい」「だしの風味が効いている」と地元民から好評だとか。味付けについて、料理長の関芳雄さんに伺うと、「長岡は、昔から独自の食文化が根付いています。甘じょっぱい醤油赤飯がその代表格ですね。ほかにも、だし巻き卵は甘いですし、ごま豆腐も甘いですよ」と、教えてくれた。地域で愛される昔ながらの味わいを守っているそうだ。そんな同店は、月に一度、「売り出し」と称したイベントを開催。普段の倍以上、50種類ほどの惣菜や弁当を販売する。地元民にとっては恒例で、朝の開店時から大賑わい。お昼前には売り切れるという人気ぶりだ。

鮮魚店から割烹、そして惣菜店へ

越後魚伊は、1933年、町の鮮魚店として創業。手押し車で魚を売り歩く行商や仕出し業務を行っていた。1950年頃になると、割烹として店を構えるようになる。座敷や舞台を作り、新年会や忘年会、結婚式も行っていたそうだ。「手前味噌ですがこの辺りでは名の知れた割烹で、現在、市内のホテルや和食店で働く職人はうちで修業した人が多いですよ」と、微笑む料理長の関さん。やがて、地元民からの「自宅でも食べたい」「家庭用の惣菜を作ってほしい」という声を受け、現在の惣菜店へと業態を変えた。関さんは、「時代とともにお店の形は変わりましたが、魚屋や割烹時代の技術は職人たちに受け継がれていますよ」と、語っている。

丁寧に手作業で作る鮭ほぐし

元割烹という歴史を持つ越後魚伊。当時から、職人が手作りすることにこだわっている。たとえば、お茶漬け用の鮭ほぐし。手作業で魚の骨を抜き、一晩熟成。翌日、皮を上にして低温で焼き上げる。身が焦げ付かない工夫だそうだ。そして、血合いを取り除きながらほぐして完成する。最後の最後まで、目視の骨抜きは欠かさないという。料理長の関さんは、「どんなに便利な世の中になっても、信用できるのはやっぱり人間。丁寧な手作業は譲れませんね」と、真剣な面持ちで語る。

  • 越後魚伊
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生産者紹介

料理長:関芳雄
料理長関芳雄

長岡市出身。東京で2年間、一般企業に勤務後、20歳頃に生まれ故郷へ戻る。割烹として店を構えていた越後魚伊に就職した。「もともとは料理の道に進むつもりはなかったんです。当時、長岡に行商に来ていた出雲崎の魚屋さんに紹介されたんですよ」と、関さん。料理人として割烹で経験を積み、惣菜店に変わった今でも包丁を握り続けている。「かれこれ50年以上やっています。厨房から常連のお客さんの姿を見つけると、嬉しくなりますね。これからも皆さんに愛される惣菜店でありたいです」と、微笑んだ。

店舗詳細

店舗名称 越後魚伊
住所 新潟県長岡市千歳1-3-24