味噌醸造元 渋谷商店
新潟県北蒲原郡聖籠町 店舗ジャンル:麹・味噌・醤油醸造「発酵の街」として栄えていた栗ノ木川沿いで、1936年に創業した歴史ある味噌醸造元 。「品質本位」をモットーに、手間ひまかけた昔ながらの製法で味噌づくりを行う。
手間を惜しまない「品質本位」の味噌づくり
渋谷商店は、1936年に創業した歴史ある味噌醸造元 。当時、米の仲買をしていた初代・渋谷勇二氏が、味噌づくりをはじめた。創業の地は、栗ノ木川沿いに味噌蔵や酒蔵が軒を連ね、「発酵の街」として栄えていたエリア。2018年に、現在の聖籠町に工場を移転した。「90年の間に2度、工場移転を余儀なくされるという稀有な歴史があります。微生物を管理する工場の移転は大変難しく、幾多の困難を克服してきました」と、専務取締役の渋谷亮さんは語る。味の継承に一切の妥協がない渋谷商店のモットーは、「品質本位」。渋谷さんは、「歴代の工場長が、『良い味噌作る前に、掃除をしっかりする』と、よく言っています。工場の中が清潔であることが、美味しい味噌づくりの基盤になるということですね」と語る。そんな渋谷商店の味噌は、すっきりとした飽きのこない味わいが自慢。2025年には、第66回全国味噌鑑評会で過去9回目となる「農林水産大臣賞」を受賞した。「渋谷商店の味噌で作ったお味噌汁は、何杯でも飲めますよ」と、渋谷さんは笑う。
手間ひまかけた、昔ながらの製法を受け継ぐ
渋谷商店の味噌づくりの基盤は、「麹の質」と「大豆の煮具合」。この2つの出来によって、味噌の味が左右される。麹の原料となる米を蒸す工程では、「甑(こしき)」と呼ばれる大型の蒸し器を使用し、「抜け掛け法(ぬけがけほう)」という昔ながらの製法を受け継ぐ。甑の底に少量の米を敷いて蒸し、蒸気が抜けたらまた少量の米を重ねるという、手間のかかる製法だ。少しずつ米を重ねていくことで、全体をムラなく蒸し上げることができるそうだ。また、大豆は圧力釜を使わずに、水からじっくりと時間をかけて煮るのがこだわり。「ひと晩浸漬させた大豆を、朝6時頃からコトコト煮ていきます。大豆の種類や季節によって、煮る時間が違うんです。職人が煮え具合を確認しながら、丁寧に仕上げていきます」と、渋谷さん。圧力釜に比べて時間はかかるが、大豆本来の旨味を引き出すための大切な工程だ。こうして手間ひまかけて仕上げた渋谷商店の味噌は、大人から子どもまで幅広い年代に愛されている。3世代続けて愛用しているリピーターも多いんだとか。「原料や製法が同じでも、風土が違うと同じ味は出せないんです。この地で古くから受け継がれてきた味を、これからも守っていきたいです」と、渋谷さんは力強く語る。
生産者紹介
専務取締役渋谷 亮
新潟市出身。東京農業大学・醸造学科を卒業後、県外の味噌蔵で修業を積み、家業の「株式会社渋谷商店」に入る。「子どもの頃から味噌の存在が身近にあって、自然な流れで家業を継ぎました。日本の伝統食を作れる仕事なんて、ひと握りしかありません。自分は選ばれたんだと、誇りに思います!」と、渋谷さん。昔ながらの製法を受け継いで造った味噌は、「家庭の味」として多くの人に愛されている。「渋谷商店の味噌が、家庭の味になってもらえたらうれしいですね」と、やさしく微笑む。
店舗詳細
| 店舗名称 | 味噌醸造元 渋谷商店 |
|---|---|
| 住所 | 新潟県北蒲原郡聖籠町東港7-4763-7 |














































