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伝統を受け継ぎながら、新しいことにも積極的に挑戦している割烹。旬の食材を使った和食を、目で見ても楽しめるようなこだわりの器で提供してくれる。

割烹 柳屋 創業200年以上という長い歴史を持つ名店

旅籠から料亭へ、今町の商人をもてなしてきた老舗

1794年(寛政6年)、見附市今町地区で創業した「割烹 柳屋」。創業当時は、今町に訪れる商人をもてなすための「旅籠」として営業していた。江戸時代の今町周辺は、北前舟に乗せるための食材が集まる問屋があり、多くの商人たちで賑わっていたという。そのため、柳屋のような旅籠や料亭が数多くあり、全国から訪れる舌の肥えた商人たちに料理の味を鍛えられてきた。昭和の初め頃、現在の店舗を構える土地へと移転。このタイミングで、旅籠から料理の提供を専門で行う割烹へと業態を変えたという。現在では9代目・味方英樹さんを中心に、200年以上続く店の歴史を守っている。

和食の基本である「出汁」にこだわる

和食を作る上で最も大切なのは、しっかりと出汁を取ること。柳屋では、出汁を取るために使用する食材の仕入れには、特に力を入れている。例えば、カツオ節はまろやかな酸味が特徴の鹿児島産、昆布は風味の強い北海道・日高産など、全国各地から納得できるものを厳選。さらに、夏場はさっぱりとしたカツオ出汁、冬場はコクのあるマグロ出汁というように、季節によって使う出汁を変えている。こうした細やかなこだわりが、繊細かつ上品な割烹の味を支えている。

基本を守りながら時代に合わせて変化する

柳屋は、和食の基本を守りながらも、新しい挑戦にも積極的だ。お膳いっぱいに料理を並べるのが一般的な割烹料理を、「ワンディッシュ」に盛り付けたり、洋風な器に変えてみたりと、見せ方にも工夫を凝らし、視覚でも楽しめる料理を心がけているという。また、「和食×日本酒×チーズ」という斬新な組み合わせを楽しむ料理セミナーや、地元野菜「大口れんこん」を使ったフルコースの試食会など、さまざまなイベントを開催。少し敷居が高く感じてしまう老舗の割烹だが、こうした取り組みによって若い世代からも注目を集めている。

  • 割烹 柳屋
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生産者紹介

9代目:味方英樹
9代目味方英樹

1794年創業の「割烹 柳屋」の9代目として生まれる。短期大学で経営について学んだのち、東京・八丁堀のフグ料理店で3年間、熱海の割烹旅館で3年間、それぞれ修行。その後、地元・見附市今町に戻り家業に入る。2007年に代表取締役に就任後は、若い世代にも足を運んでもらえるような取り組みも行っている。「出汁を効かせるという和食の基本は崩さずに、時代に合わせて調理法や提供スタイルを変えています」と味方さん。変化を恐れず伝統を守っていく姿勢は、店の歴史の長さと料理の味に裏付けられている。

店舗詳細

店舗名称 割烹 柳屋
住所 新潟県見附市今町1-1-8