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県内でも有数の温泉地である岩室温泉に店を構えるお菓子処。伝統的な和菓子から、フォトジェニックな洋菓子まで、和洋さまざまなお菓子を販売している。

小富士屋 温泉街にたたずむ創業150年の老舗

芸者発祥の地・岩室温泉の趣ある菓子店

1869年(明治2年)に創業した「小富士屋」。「富士屋」という旅館から1番初めに出た分家のため、「小富士屋」という屋号になったそう。店を構える岩室地区は県内でも有数の温泉地として知られ、新潟県の芸者発祥の地でもある。全盛期には100人以上の芸者がおり、多くの観光客をもてなしていた。そのため、小富士屋は当初、お抱えの芸者を料亭や旅館に送る「置屋」をしていたという。2代目になると「観光に訪れる人々のお土産品を販売したい」と、温泉饅頭の販売を始める。今でもファンが多いという冬季限定の「水羊羹」は、この頃から作られていたもの。練りが浅く甘さ控えめのため、みずみずしくさっぱりいただけるのが特徴だ。水羊羹というと涼を求めて夏に食べるイメージが強いが、岩室温泉ではお風呂上がりやお酒を飲んだ後のシメとして喜ばれていた。

歴代の代表が手掛けたヒット商品

小富士屋では、代表が変わるたびにヒット商品を生み出してきたという歴史がある。3代目は、岩室温泉の名物である「岩室せんべい」を考案。旅行好きだった3代目が群馬の磯部温泉に行った際、店先で手焼きのせんべいを売っているのを見て岩室で再現したそう。せんべいの表面には、芸者・弥彦山・間瀬の海など、小富士屋の歴史や岩室の風土をモチーフにした柄が描かれている。その後も4代目の「雁の子」、5代目の「たまご饅頭」、6代目の「豆腐プリン」と、歴代の代表がそれぞれ考案したお菓子は今でも店の人気商品だ。2018年から家業に入った7代目・武藤龍一さんは、「葛バー」や「いちご大福」など、早くもさまざまな商品企画を行う。近年では、和菓子だけでなく幅広いジャンルのお菓子が店頭に並ぶ。

地元に根差したお菓子作り

小富士屋の中で、特に注目を集めている商品が「いちじく羊羹」。イチジクの味わいを生かすために餡子を使用しない、甘さ控えめの羊羹だ。5代目の頃から作られていた商品だが、2020年に羊羹の形状とパッケージをリニューアル。若い世代にも手に取ってもらえるような、華やかでおしゃれなデザインに一新した。原料のイチジクには、地元・巻地区で栽培されているブランド品種「越の雫」を使用。地元の農家との連携も積極的に行っている。7代目・龍一さんは「地元の特産品を使った商品開発に力を入れていきたい」と話す。これからもアイデア満載のお菓子で地元を盛り上げていくだろう。

  • 小富士屋
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生産者紹介

7代目:武藤龍一
7代目武藤龍一

岩室温泉街で150年以上の歴史を持つ「小富士屋」の7代目として生まれる。京都の製菓専門学校を卒業後、和菓子店で修業を積む。2018年に家業に入ってからは、さまざまな商品開発を行っている。昔から作られていたという「いちじく羊羹」のデザインを一新したり、温泉街での食べ歩きを想定した葛入りアイス「葛バー」を開発したり、老舗の菓子店に新たな風を吹き込んでいる。龍一さんは、「新潟の特産品を活かした商品作りをしていきたいです。幅広い世代の方に愛される、地域に根差したお店を目指しています」とさらなる意欲を見せてくれた。

店舗詳細

店舗名称 小富士屋
住所 新潟県新潟市西蒲区岩室温泉576