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阿賀野市で受け継がれる「しんぼこんにゃく」を手作りしている製造所。昔ながらの「釜炊き製法」のこんにゃくは、味しみが良く、弾力のある独特の食感が美味しい。

新保こんにゃく 伝統の味を受け継ぐ製造所

昔ながらの「手作りこんにゃく」を製造

新保こんにゃくは、阿賀野市にあるこんにゃく製造所。もくもくと湯気が立ちのぼる作業場で、従業員がこんにゃくを作っている。代表の渡辺政利さんが、「大きな釜に火を起こして作っています。この地で受け継がれている製法ですね」と、教えてくれた。こんにゃくは、練ったこんにゃく芋を茹でて作るのが一般的。釜炊き製法ならではの「お湯の量」と「温度」が、こんにゃくの美味しさを左右する。たっぷりのお湯で茹でることで、こんにゃくが水分を含んで膨張し、食べごたえのある食感に仕上がるそうだ。また、薪をくべて高温で茹でることで、アクと臭みが逃げるため、料理の際のアク抜きが必要ない。地元のスーパーや道の駅で販売されており、「弾力が抜群」と人気を集めている。同製造所がある新保地区は、もともとこんにゃく作りが盛んだった。原料の芋を自家栽培し、各家庭でこんにゃくを作っていたそうだ。渡辺さんは、「私の祖母も昭和初期に、リヤカーで行商していたそうです」と、振り返る。しかし、時代とともにこんにゃくを作る家庭が少なくなってきたことを受け、1990年頃、地元民が製造所を設立したという。渡辺さんは、「伝統の味が途絶えないよう、地元の方と日々こんにゃく作りに励んでいます」と、明るい笑顔を見せた。

手間をかけた、こんにゃく作り

「しんぼこんにゃく」の製造は3日がかり。まず、こんにゃく芋をよく洗い、水に一晩浸ける。翌日、3時間ほど茹でた後、一個一個手作業で皮を剥く。そして、ミキサーにかけた後、木枠の中で手練りしていくのだ。従業員のお母さんが「手で練るから気泡が生まれます。だから味しみが良くなるんですよ。機械じゃこうはいきません」と、微笑む。その生地を板状にカットし、沸騰した大釜で茹で上げる。薪で火を起こしながらの作業だから一苦労だ。釜から出したら、水で締め、一晩寝かせてようやく完成。機械の大量生産に比べて手間はかかるが、その分、独特の食感と舌ざわりが生まれる。

安田甚句が伝える「しんぼこんにゃく」

新保こんにゃくがある新保地区は、旧安田町にある。この地域に古くから伝わっているのが「安田甚句」という民謡。じつはこの歌の中に、安田名物として「しんぼこんにゃく」が登場しているのだ。歌に出てくることからも、こんにゃくが地域に根付いていることが伺える。「今でも安田甚句は、地元民に歌い継がれているんです。うちの息子も歌えますよ」と、代表の渡辺さん。学校の発表会や地元の音楽祭で、和太鼓や笛の力強い演奏とともに歌っているという。まさに大人から子どもまで、地域一体となって「しんぼこんにゃく」を受け継いでいるといえるだろう。

  • 新保こんにゃく
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生産者紹介

代表:渡辺政利
代表渡辺政利

阿賀野市出身。19歳の時、家業の渡辺建設に就職する。こんにゃく製造所の「新保こんにゃく」の代表を継いだのは、2022年。担い手の高齢化がきっかけだ。「しんぼこんにゃくは子どもの頃から食べていました。地元の味がなくなってしまうのは、寂しいですからね。家業をこなしながら、こんにゃく作りも頑張っています」と、笑う。新保地域に受け継がれるこんにゃく作りは、小学校の食育授業にも取り入れられている。渡辺さんが学校で歴史や製法について教えているそうだ。「子どもたちにも興味を持ってもらって、地域の食文化を残していきたいです」と、語る。

店舗詳細

店舗名称 新保こんにゃく
住所 新潟県阿賀野市新保201番地