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新潟市秋葉区にて100年以上続く老舗和菓子店。全国的にも珍しい「折箱入りの三色だんご」は、あんこがたっぷり、素朴な味わいで、新津名物として愛されている。

御菓子司 羽入 目印は、「三色だんご」と書かれた大きなのれん

鉄道のまちに店を構える老舗和菓子店

御菓子司 羽入は、新潟市秋葉区の新津にある和菓子店。新津といえば、信越本線、羽越本線、磐越西線の三本の路線が通る鉄道の要衝。「鉄道のまち」として広く知られている。同店が創業したのは1916年。新津の鉄道網が栄える以前の大正時代から100年以上続いている。店内には、大福、串団子、おはぎ、新潟名物の笹団子などがズラリ。中には、鉄道のまちらしいお菓子もある。「しごなな焼フィナンシェ」は、かつて走っていた蒸気機関車「C57-180(しごなな)」がモチーフだ。焦がしバターの風味が豊かなフィナンシェに、車輪に見立てたあんこがのっている。4代目の羽入千晶さんは、「新津はかつて東日本最大の鉄道基地でした。お菓子を通して、その歴史を伝えていきたいです」と優しく語る。

看板商品は、折箱入りの「三色だんご」

創業当初からある「三色だんご」は、羽入の看板商品。三色だんごといっても、串に刺さったピンク・白・緑の一般的なものとはまったく違う。駅弁のような折箱に、串に刺さっていない小さめサイズのだんごが、ぎっしり24粒詰まっている。だんごが隠れるくらいに、こしあん・白あん・ごまがたっぷりのっているのも特徴だ。その作り方は100年以上前から変わらない。新潟県産のお米で作ったお餅を、石臼で丁寧についていく。一度ついたお餅を冷ましてから、もう一度つく「二度づき」が同店のこだわり。そうすると、きめ細かく、やわらかいお餅に仕上がるという。次に、一口サイズにカットし、折箱に手作業で詰めていく。最後にこしあんやごまを、たっぷりのせて完成。その日お店に出す分を、毎朝開店前からスタッフが200箱も作っているという。4代目の羽入さんは、「父から『つきたてを出すのが菓子職人の誠意だ!』って教えられてきました。大変ですが、つきたての美味しさを味わっていただくために頑張っています」と笑う。どこか懐かしい素朴な味わいは、昔を知るお年寄りや帰省した人の手土産に喜ばれている。

新津名物「三色だんご」誕生秘話

串に刺さっていないだんごがぎっしり詰まった、新津名物「三色だんご」。フタを開けると、つまようじが2本が入っている。いったいなぜこのようなお菓子が生まれたのだろうか。4代目の羽入さんに伺うと、「創業して間もない頃、駅弁屋さんから『お弁当と一緒に販売する甘いものを考えてほしい』と依頼があったのが始まりだと聞いています」と教えてくれた。どうやら初代が、「電車の中でみんなで食べられるだんご」を考えた結果、折箱入りの三色だんごが誕生したそうだ。「串に刺さっていないから、みんなで分けあって食べられますよね」と羽入さん。ずっとそのスタイルは変わらないが、2020年に一つだけリニューアルした部分がある。つまようじに加え、木のスプーンが加わったのだ。「最後に残ったあんこやごまを食べたい」という客の声があったからだとか。羽入さんは、「これからも、伝統を守りつつも、時代に合わせた三色だんごを作っていきたいです」と語る。

  • 御菓子司 羽入
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生産者紹介

4代目:羽入千晶
4代目羽入千晶

新潟市秋葉区出身。短大で食品業界の経営学を専攻したあと、2015年、家業に入った。父親のもとで和菓子の基礎を学びながら、4代目として日々菓子製造に携わっている。季節限定の三色だんごや四季折々の生菓子など、自身のアイデアを取り入れた新商品の開発も行う。「もともとお菓子作りが好きで、学生時代もプライベートでよく作っていたんです。お店を守っていくのは大変ですが、『昔懐かしい味』『美味しいね』って言ってもらえると、受け継いでいかなきゃ!ってやる気が出ますね」と、にこやかに語った。

店舗詳細

店舗名称 御菓子司 羽入
住所 新潟県新潟市秋葉区新津本町1-6-30