きのこ組
新潟県南魚沼市 店舗ジャンル:農家・農業法人南魚沼市の八色原地区にて、園芸農業に取り組む農家。しいたけの菌床を活かした有機質肥料で育てるスイカは、抜群のシャリ感と突き抜けるような甘みが特徴だ。

肉厚しいたけを手がけるきのこ農家
南魚沼市の八色原地区にある「きのこ組」は、その名の通りきのこ栽培に取り組む農家。11棟ある施設で、約16万個もの菌床ブロックでしいたけを育てている。掲げるキャッチフレーズは、「厚いにもほどがある」。代表の高野将宏さんは、「肉厚で大型のしいたけを、一番うまい状態で収穫できるように心がけています」と、笑う。中でもこだわりは、しいたけの傘が開きそうな絶妙なタイミングで収穫することだそうだ。「傘が開ききっちゃうと、子孫繁栄の胞子を飛ばすためにエネルギーを使っちゃうから、食味が落ちる気がするんです。だから開く前が美味しいと思うんです!」と、力強く持論を語ってくれた。
きのこの菌床を活かしたスイカ栽培
南魚沼市は、八海山をはじめとする越後三山に囲まれた盆地が特徴。昼夜の寒暖差が大きく、甘みの強い作物が育ちやすい環境だ。そんな同市の八色原地区は、全国的にも有名なスイカの名産地。糖度の高いスイカを栽培する農家が多い。じつは、きのこ組もその一つ。手がけるスイカは、甘みはもちろん、特有のシャリ感が抜群だ。中でも黄肉の大玉「金色羅皇」は、突き抜ける甘みが人気を集めている。その美味しさの秘密は、しいたけ作りをするきのこ組ならではの栽培法にあった。「しいたけを収穫し終わった菌床を堆肥として使っています」と、代表の高野さん。廃菌床を3ヶ月ほど発酵させたものを、土壌に混ぜ込むそうだ。そうすると、土壌中の微生物が活性化し、スイカが育ちやすい肥沃な土質に変わるという。
「つる引き栽培」で作る大玉スイカ
きのこ組が作るスイカは、とにかく大きい。10kgを超える、特大サイズのものもあるから驚きだ。一般的に、「スイカは大きいほど、甘みが強い」といわれている。代表の高野さんにどのようにして大きく育てているのかを伺うと、「つる引き栽培が実を立派にしてくれるんです」と、教えてくれた。「つる引き栽培」とは、つるの長さや向きをコントロールして、トンネルの真下に花が咲くように管理する栽培法のこと。そのため、雨に濡れる心配がない。というのも、スイカの花は雨に濡れると受粉ができないからだ。また、つるの向きが揃うことで空間に余裕ができ、実が大きく育ちやすい。とはいえ、ハチが受粉を手伝ってくれる「密閉栽培」に比べると、人の手で受粉をさせる「つる引き栽培」は手間がかかるという。「一つ一つ作業するのは、大変ですよ。でもその分、美味しい大玉が育つので、やめられないんです!」と、やりがいについて語った。
生産者紹介

代表高野将宏
南魚沼市の米農家に生まれる。東京の農業大学を卒業後、地元にUターン。実家が営む高野農園で修業を積み、30歳の頃に独立した。「正直な話、親に教えてもらえば農業の道は安泰だと思っていました。しかし現実は厳しかったです」と、苦笑い。実家でコシヒカリを栽培しながら、2002年にきのこ組を設立。しいたけとスイカの栽培にも取り組む。「天候に左右されまくりで、失敗だらけですよ。でも、それで投げ出すことはしたくありません。『毎年勉強できる!』とポジティブに捉えて、なんとか頑張ってます」と、笑顔を見せた。
店舗詳細
店舗名称 | きのこ組 |
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住所 | 新潟県南魚沼市茗荷沢49-1 |