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佐渡市・莚場地区のチョコレート工場。厳選したカカオを使用した「シングルオリジンチョコレート」や、佐渡ならではの食材「かやの実」を使った商品を製造している。

莚 CACAO CLUB 「莚」の文字をデザインしたロゴが目印

カカオの個性を楽しめる「シングルオリジンチョコレート」

「莚 CACAO CLUB(むしろカカオクラブ)」は、佐渡ヶ島の南東部に位置する莚場地区のチョコレート工場だ。チョコレートを使ったスイーツやドリンクを提供するカフェを併設しており、島外からも多くのファンが訪れる。製造しているチョコレートのほとんどは、単一産地のカカオと砂糖のみで作った「シングルオリジンチョコレート」。「ガーナ」「コスタリカ」「ベトナム」など、世界各地のカカオを使ったチョコレートをラインナップしている。シンプルだからこそ、産地ごとのカカオの味わいを堪能できるという。代表の勝田誠さんは、「カカオの香りや味の違いは、品種ではなく育った環境の影響が大きいんです。産地ごとに気候や周りに生えている植物が違いますよね。それによって、ベリーっぽい酸味があったり、スモーキーな風味だったり、個性が生まれるんですよ」と、教えてくれた。

信頼できる農園から仕入れるカカオ

莚 CACAO CLUBは、世界各地から厳選したカカオを仕入れている。こだわりは、「チャイルドレイバーフリー」のカカオであること。児童労働をさせていない農園や地域からカカオを仕入れることは、発展途上国全体の労働環境の改善につながるという。また、カカオの産地へ足を運び、生産者と信頼関係を築いて取引をする「ダイレクトトレード」にも意欲的だ。勝田さんはトリニダード・トバゴの農園に訪れ、カカオの栽培地や、出荷前に行う発酵・乾燥の様子を見学。現地の生産者と直接話すことで、理想の発酵具合などを伝えることができるそうだ。「カカオに関することだけではなく、生産者の人となりや暮らし、その土地の風土に触れることも大切にしています。チョコレートと一緒に、その土地の文化も届けたいですね」と、熱い思いを語る。

佐渡から世界へ、チョコレートの魅力を発信

勝田さんは、広島のチョコレート工場で働いたのち、生まれ故郷である佐渡に戻ってきた。「自分の中に流れている佐渡の血と、島の外に出て経験したことをミックスして、チョコレートを発信していきたいです。佐渡にいるからこそできることがあると思っています」と、語る。莚 CACAO CLUBでは、日本らしい食材を合わせたチョコレートの製造もしている。代表的なものは、佐渡市赤泊地区のかやの実をトッピングしたチョコレート。和風アーモンドと呼ばれるかやの実とチョコレートは相性抜群だ。「佐渡らしさ」という観点では、チョコレートの包み紙にも注目したい。こちらは、一枚の紙を折りたたんで包む「折型(おりがた)」という、日本古来のラッピング技法を採用。どの包み紙にも、力強いタッチで、佐渡と各国のカカオの産地の祭りのイラストが描かれている。佐渡の風土を感じさせる、「土臭さ」や「郷土感」のあるパッケージだ。「佐渡らしさ」を融合させたチョコレートを、日本はもちろん世界へ発信していく。

  • 莚 CACAO CLUB
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生産者紹介

代表:勝田 誠
代表勝田 誠

佐渡市出身。日本中を旅している中で、広島県尾道市のチョコレート工場「USHIO CHOCOLATL(ウシオチョコラトル)」と出会い、チョコレート職人の道へ。2020年に生まれ育った佐渡にUターンし、2021年に「莚 CACAO CLUB(むしろカカオクラブ)」を設立した。「コーヒー豆を産地で選ぶように、シングルオリジンチョコレートを文化として定着させたいですね」と、勝田さんは語る。また、カカオの殻を使ったプロダクト製作「カカオクラフト」の活動にも注力。器・和紙・染め物など、日本の民藝とかけ合わせることで、新たな価値を生み出している。「本来捨ててしまうカカオの殻を有効活用することで、カカオの仕入れ単価を上げることができます。この活動を通して、産地の労働環境の改善にも貢献したいですね」と、勝田さんは未来を見据える。

店舗詳細

店舗名称 莚 CACAO CLUB
住所 新潟県佐渡市莚場1100