猪又酒造 株式会社
新潟県糸魚川市 店舗カテゴリ:酒蔵・酒造量よりも質にこだわった「品質本位」の精神が受け継がれる糸魚川市の酒蔵。蔵人が自ら栽培する酒米を贅沢に使って生み出される日本酒はどれも飲み飽きないものばかり。

受け継がれていく「品質本意」の精神
猪又酒造が酒造りを行うのは新潟県の最西端に位置する糸魚川市。烏帽子岳や阿弥陀山などの山々に囲まれた自然豊かな地域である。酒蔵が目指すのは、普段飲む日本酒の品質を高めること。量より質を重視した「品質本位」の精神が創業当時から受け継がれている。一般的な普通酒の仕込みには、精米歩合73~75%程度の酒米が使われるが、猪又酒造では精米歩合を60%以下にした酒米のみを使うというこだわりがある。これは吟醸酒の条件を満たすほどの高精白。香りや味わいに特徴を持たせた日本酒が多く出回っている現代において、スタンダードな酒をどれだけ美味しく造れるかが酒蔵の実力であると考えているのだ。また、50年以上前から純米仕込みにもこだわっている。米が不足していた時代に、コストを考え安価な酒ばかりを販売する酒蔵が増加したが、猪又酒造は品質を重視した純米酒造りに特化してきたのだ。
酒造りの原料となる酒米は蔵人達自らが栽培している。しかも、五百万石や越淡麗といった高品質の酒米のみ。自分たちの酒造りに適している酒米を自ら栽培し、納得のいく味を生み出しているのだ。酒米の栽培に使っている水は「月不見の池(つきみずのいけ)」から引いている。この池の水は山の伏流水が湧き出たもの。不純物の少ないきれいな水質は酒造りの仕込み水にも適しており、この水を使って仕込んだ、酒蔵の代表銘柄「月不見の池」の名前の由来となっている。
猪又酒造が目指すもの
明治の時代から続く猪又酒造は、これまで「知る人ぞ知る酒蔵」というイメージが強かった。しかし、5代目の猪又知良さんは、もっと積極的に新商品の開発や情報の発信を行わなければならないと考えている。かつて名古屋の小売店で勤務していた経験もあり、酒業界の多様なニーズと流行の速さを身をもって知っている。酒蔵の伝統を守るだけではなく、新しい販売戦略を実行するといった”攻めの姿勢”を常に意識しているのだ。実際には、2016年2月に飼い猫の顔をラベルに起用した「サビ猫ロック」という商品を企画。1,000本限定で製造したが、反響が凄まじく、なんと1週間で完売してしまった。受け継がれてきた伝統を大切にしながらも、進化を続けていく猪又酒造に今後も注目が集まる。
生産者紹介

5代目猪又知良さん
幼い時から猪又酒造の5代目として酒蔵を継ぐ覚悟をしていたという猪又知良さん。そのため専門学校では醸造学を学んだ。卒業後は、名古屋の小売店で勤務。2014年、地元に戻り猪又酒造に入社した。「酒米や仕込み方一つで大きく変わる日本酒の味わいは、とても奥が深く、探求心を駆り立てられる。4代目の父と似ていて、一つの方向を進むことが好きなんです。」と笑顔で話す。その姿からは日本酒への強い愛情を感じる。小売店で勤務していた頃に消費者のニーズの多様性や流行の速さを肌で感じ、現在はその経験を経営者として活かしている。品質第一の伝統を守りながらも、これまでに猪又酒造が行ってこなかった新商品開発や販売促進も積極的にチャレンジしていく。
店舗詳細
店舗名称 | 猪又酒造 株式会社 |
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住所 | 新潟県糸魚川市新町71-1 |
営業時間 | AM8:30~PM5:00 |
定休日 | 日・祝 第2,4土曜日 |