坂井ファームクリエイト
新潟県新潟市江南区 店舗ジャンル:農家・農業法人新潟市江南区の農業法人。20棟以上のハウスで、年間通して小松菜を栽培している。冬の2ヶ月間だけ製造する「手つき餅」は、粘りの強さと豊かな米の香りに定評がある。
有機質肥料を活用した小松菜栽培
新潟市江南区の農業法人・坂井ファームクリエイトは、260年以上の歴史がある農家が始まり。代表取締役・坂井涼子さんの父の代に法人化した。主要品目は、ハウス栽培の小松菜だ。「当初は、この辺りでもともと盛んなトマトやきゅうりの施設園芸を行っていました。年間通して安定して従業員を雇用できるよう、作業性や生産性を考慮して小松菜に転換したんです」と、坂井さんは教えてくれた。現在は、20棟以上のハウスすべてで小松菜を生産する。栽培のポイントは、土作り。年に6回作付けできるため、連作障害を起こさないよう、土壌のバランスを見ながら肥料や堆肥を与えている。阿賀野市の畜産農家の牛糞を完熟発酵させた有機質肥料は、毎年使用しているという。「微生物が活発に働くフカフカな土になるので、小松菜がストレスなく根っこを伸ばせるようになります。土が持つ力『地力(ちりょく)』を高めることが大切です」と、坂井さんは語る。
地域の文化をつなぐ「手つき餅」
坂井ファームクリエイトでは、小松菜をはじめとする農作物の生産のほか、加工品の製造も手掛ける。中でも力を入れているのが、一年のうち11〜12月にのみ製造する「手つき餅」だ。「施設園芸が盛んな地域なので、跡取りとなる若手の農家が多いんですよね。秋の出荷が終わって仕事が落ち着く時期に、力自慢の若手が集まって、餅つきを始めたのがきっかけです」と、坂井さんは語る。使用するもち米は、有機質肥料を与えて育てた自家栽培の「こがねもち」。セイロでじっくりと蒸したら、杵と臼を使う伝統的な製法で、丁寧につき上げていく。「体力が求められる大変な仕事ですが、機械化が進む今の時代に、昔ながらのお餅を食べてほしい。昔は各家庭で行われていた、もちつきの文化を守っていきたいという想いがあります」手間暇かけて作られた餅は、粘りの強さと豊かな米の香りが評判。冬の人気商品となっている。
地域全体の底上げを目指す
坂井ファームクリエイトの理念は、「食を通して人と地域を元気・健康にする」。「体にやさしいものを届けること、自分たちだけが利益を得るのではなく地域全体の底上げをすることを大切にしています」と、坂井さんは力を込める。そうした考えから、地域の農家が誰でも販売できる「直売所の運営」や、気軽に農業を体験できる「畑の貸し出し」なども行う。同社の取り組みが、地域の活力につながっている。
生産者紹介
代表取締役坂井涼子
新潟市江南区嘉木(かぎ)地区に生まれ育つ。高校時代に市民ミュージカルに出演したことをきっかけに、東京の芸能事務所に約2年在籍。過度なダイエットを行うなど、心身ともに憔悴する中で、食べ物を作る農家の尊さを感じたという。「それまで実家には関心がありませんでしたが、東京に出て初めて、生まれ育った環境の良さを実感したんです。そこで、家業を継ぐことを決めました」と、坂井さん。農業系の大学で学んだ後、家業に入り就農した。「食べ物を作っていると体を壊すこともないですし、土や作物に触れているとパワーがもらえるんですよね」と、微笑む。今後について伺うと、「たくさんの若手農家の仲間と共に励みながら、また次の世代にバトンタッチしていきたいです」と、意気込んだ。
店舗詳細
| 店舗名称 | 坂井ファームクリエイト |
|---|---|
| 住所 | 新潟県新潟市江南区嘉木12 |













































