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加茂市の山奥で、米と野菜を栽培する農家。寒暖差を活かして育てるさつまいもは、定番から希少品種までさまざま。どれも甘みが濃厚で、直売所で人気を集めている。

Yagorou 清らかな水に恵まれた七谷上高柳地区

雪解け水の恩恵を活かした米作り

Yagorou(やごろう)は、加茂市の山奥で稲作に取り組む農家。自然豊かな土地でコシヒカリを栽培している。米を作る上で欠かせない要素の一つが水だ。その点、同農家の田んぼがある七谷上高柳地区は、標高1000mを超える粟ヶ岳や宝蔵(ほうぞう)山の麓に位置することから、上質な水に恵まれている。春になると、山々がもたらす雪解け水が付近の川に流れ込むからだ。3代目の今井俊貴さんは、「天然の水を田んぼに引いています。この辺りは民家が少ないので、水が澄んでいるんですよ。きれいな水はダイレクトにお米の品質を左右しますね。真夏でも飲み物を冷やせるくらい冷たいのが自慢です」と、笑う。ミネラルが豊富で清らかな水をたっぷり吸収するからこそ、みずみずしくて美味しい米に育つのだ。

定番から希少品種まで。個性豊かなさつまいも

コシヒカリ以外にも力を入れているのが、さつまいもの栽培。山奥ならではの寒暖差を活かして育てたさつまいもは、甘みが強い。地元の直売所でも「甘くて濃厚」「立派で食べごたえ満足」と、評判だ。人気の秘密は味わいだけではない。品種の多さにもある。定番の紅あずまや紅はるかのほか、オレンジ色の果肉が鮮やかなハロウィンスイート、紫色の果肉のふくむらさきといった希少な品種まで幅広い。紅きららは、じゃがいものような白っぽい皮が特徴。果肉がオレンジ色であることから、「かぼちゃ芋」とも呼ばれている。ねっとりとした食感としっかりとした甘みが美味しい。

さつまいも栽培に適した土作り

3代目の今井さんは、「さつまいもの美味しさは、畑を耕す前の土作りで決まると言っても過言ではないです」と、語る。さつまいもは湿気に弱い野菜。そのため、水はけの良い土の方がよく育つそうだ。そこで、今井さんが取り入れているのが、米の籾殻と牛糞をブレンドした自家製の有機質肥料。たっぷり施肥することで、土壌中の微生物が活性化し、ふかふかで通気性の良い土壌に仕上がるという。

  • Yagorou
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生産者紹介

3代目:今井俊貴
3代目今井俊貴

加茂市出身。20歳で就農し、3代目を継ぐ。父親から、乳牛の飼育と稲作の教えを受け、農業の経験を積む。2023年には、さつまいもの栽培をスタート。定番の紅あずまや紅はるかに加え、なかなか市場に出回らないハロウィンスイートや紅きららを手がけている。「なんでも新しいことに挑戦したがる性分なので、せっかくならめずらしい品種も育ててみたいって思ったんですよね」と、笑う。そんな今井さんは、農家の研修会に参加したり、先輩農家のもとで勉強したり、日々、積極的に農業の知識を深めている。「ネットワークを広げて、奥深い農業の世界をもっともっと知りたいです」と、真剣な眼差しを見せてくれた。

店舗詳細

店舗名称 Yagorou
住所 新潟県加茂市上高柳571