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海藻を原料とした食品製造を行う会社。昔ながらの製法で練り上げた郷土料理「えご」は、さっぱりとしたのど越し。「素朴な味が懐かしい」と、地元民から親しまれている。

猪貝 100年以上続く老舗

「えご」を主力に掲げる食品会社

長岡市にある猪貝は、海藻を原料とする食品を製造販売している会社。創業は1913(大正2)年。ところてんから始まり、100年以上にわたって、「えご」「こんにゃく」「もずく」と商品の幅を広げてきた。中でも「えご」は同社の主力商品だ。えご草という海藻を煮溶かして固めた食べ物である。ほのかに香る磯の香り、もちもちとした食感が美味しい。新潟県では冠婚葬祭やお祭りなどの「ハレの日」に食べる郷土料理として伝わってきた。4代目の猪貝克浩さんは、「地元の皆さんに支えられてここまできました。これからも郷土の味を守るため、尽力していきます」と、笑顔で語っている。

代々受け継がれる、昔ながらの製法

えごの原料となるえご草は、主に出雲崎・佐渡・青森・石川のものを仕入れているという。その作り方は昔ながらの製法が受け継がれている。乾燥したえご草を何度も洗浄し、大鍋で煮溶かす。じつは、えご草は、同じ産地でもその年によって食感や味などの質が違うそうだ。そのため、その都度、各産地の配合を変えながら、一定の水準を保っている。約30分かけて煮溶かしたえごを、今度は手作業で濾していく。溶けきれなかったえご草や小さな不純物を取り除くためである。それらを型に流し込んで冷やし固めれば完成。手間をかけるからこそ、つるんとしたのど越しの良いえごに仕上がるのだ。

幅広いアレンジレシピで愛される「えご」

えごの食文化は、新潟のほか山形や長野にも伝わっている。その多くは、からし酢味噌を付けて食べるのが一般的。4代目の猪貝さんは、「少なくとも江戸時代から受け継がれている食べ方ですね。しかし、えごの魅力を知ってもらうために、弊社ではアレンジレシピも提案しています」と、語る。たとえば、きゅうりと和えた「えごのツナサラダ」。ツナマヨのまろやかな味わいが子どもにも人気だとか。ほかにも、オリーブオイルでイタリアンに仕上げた「えごとサーモンのカルパッチョ」、和スイーツ風の「黒蜜きな粉えご」など、アレンジの幅は広い。猪貝さんは、「今までの固定概念にとらわれない、美味しい食べ方を見つけてもらいたいです」と笑う。

  • 猪貝
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生産者紹介

4代目:猪貝克浩
4代目猪貝克浩

長岡市出身。1982年、家業である株式会社猪貝の4代目を継いだ。「もともと継ぐつもりはなかったんですよ。でも、えごやところてんが地元で愛されていることを肌で感じて、決意しました」と、振り返る。そんな猪貝さんは伝統食を残すため、2013年、「越後えご保存会」を発足させた。県内外のえごファンを対象に、試食会や会合を開催しているという。中でも4年に一度に行う「えごリンピック」は一大イベントだ。秋田や山形、長野のえご生産者と交流し、各地でえご作りの体験会を実施している。「同じえごでも地域が違えば、少しずつ味わいも違うんです」と、えご愛を語った。

店舗詳細

店舗名称 猪貝
住所 新潟県長岡市新産2-13-10