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上越エリアを代表する銘酒「雪中梅」を醸造する酒蔵。里山を水源とする清らかな井戸水を仕込みに使い、手間暇を惜しまない伝統的な手作りの製法にこだわっている。

株式会社丸山酒造場 地元産の酒米を使用して酒を醸す

県内で数少ない甘口の酒「雪中梅」

上越市にて、水田が広がる自然豊かな里山に蔵を構える丸山酒造場。周辺の山々がもたらす清らかな井戸水を仕込み水にして、銘酒「雪中梅」を醸造している。4代目の丸山三郎治さんが、「長い冬を越えて咲く梅の花のように、飲み手を和ませるような美味しい酒を造りたい」という想いから命名したという。新潟には約90の酒蔵があり、その大半の酒が淡麗辛口。そんな中、雪中梅は数少ない「甘口」の酒である。とはいえ砂糖のような強い甘みではなく、重く感じないすっきりとしたキレの良さが特徴だ。誕生の背景について、7代目の丸山三左衛門さんは「創業時、周囲は農村地帯で多くの人が農民でした。肉体労働のあとに疲れを癒すには甘口の方が旨く感じるのではないか、と4代目が考えたそうです」と語ってくれた。軽い飲み口は日本酒初心者でも飲みやすく、酒の肴を選ばない懐の広い酒として、全国にファンを持つ酒である。

元麹屋だからこその手間暇を惜しまない酒造り

丸山酒造場の創業は1897年(明治30年)。酒蔵としては比較的歴史は浅いが、そのルーツは創業以前の江戸期まで遡る。じつは、前身は麹造りを生業とした麹屋だったのだ。残された文献によると、その人気は高く、長野県まで販路を広げていたという。そんな先人たちが育んだ技術を受け継ぎ、手作業の「蒸米の手掘り」と「麹造り」にこだわっている。どちらも、日本酒の品質を左右するとても重要な工程だ。まずは、蒸し上がった米を釜から放冷機へ移す「蒸米の手掘り」。多くの酒蔵がクレーンのような機械で一度に大量に運搬するそうだが、同酒造ではすべて人力で行う。湯気が立ち上がる中、蔵人たちが丁寧に手で掘っていく姿は、まさに昔ながらの光景である。「麹造り」は、30℃以上の高温多湿の部屋で、約46時間かけて行う過酷な工程だ。蒸した米を小分けにして木製容器に盛り、積み重ねていく。室内の温度と湿度は一定に保たれているものの、問題は容器の位置によって微妙に異なること。そのため、すべての米が同条件になるよう、2〜3時間おきに容器を上下左右に入れ替える必要がある。さらに夜通し見守らなければならないというから、非常に手間がかかる作業だ。7代目の丸山さんは「大変ですが、手作業にするからこそ麹が米粒の奥まで浸透し、雑味のない香り高い酒に仕上がるんです」と語る。

雪室でじっくり熟成させた純米原酒

丸山酒造場は、「古き良き伝統を守りつつ、新しいことにもチャレンジ」をモットーに掲げ、酒造りに励んでいる。2017年には、新たな銘柄として「雪中梅 雪中貯蔵純米原酒」を開発。酒蔵がある上越市は、全国でも有数の豪雪地帯だ。同商品は、そんな雪深い同市安塚区の雪室で約4ヶ月熟成させた酒である。雪室は空気対流がなく、湿度90%以上、室温0℃に近い環境が保たれるため、日本酒を熟成させるのに最適な環境だそうだ。じっくり熟成させることで、絹のようになめらかな舌触りと抜群の喉越し、まろやかな味わいに仕上がる。2020年には、フランスで開催されたワインコンクールの日本酒部門に出品。国際コンクール初参加にして、最高賞の金賞を受賞するという快挙を成し遂げた。

  • 株式会社丸山酒造場
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生産者紹介

7代目:丸山 三左衛門
7代目丸山 三左衛門

上越市出身。2008年に丸山酒造場に入社。6代目であった母親の補佐役を経て、2015年に7代目を継ぐ。自社商品の営業をする傍ら、新潟県酒造組合や地元の高田酒造協会の活動に参加。「にいがた酒の陣」や「越後・謙信SAKEまつり」の副実行委員長も務めるなど、国内・海外に向けて地酒のPRに精を出す。「伝統の酒造りを守りながら、嗜好と評価軸が多様化する時代に沿った清酒製造場の在り方を模索していきたい」と真剣な眼差しを見せた。

店舗詳細

店舗名称 株式会社丸山酒造場
住所 新潟県上越市三和区塔ノ輪617