愛らんど両津
新潟県佐渡市 店舗ジャンル:NPO・社会福祉法人自然豊かな佐渡市で「農福連携」に取り組む、就労継続支援B型の事業所。農業を通して、障がい者の「自律と自立」を支援しながら、地域農業への貢献を目指している。

「農福連携」で地域の農業を支える
「愛らんど両津」は、佐渡市の就労継続支援B型の事業所。障がい者が農業分野で活躍する場を設け、就労や社会参加を促進する「農福連携」に取り組んでいる。こちらの立ち上げに尽力したサービス管理責任者・後賀田一則さんは、「島内の障がい者の仕事の減少と、過疎化による農家の人材不足を知り、上手くマッチングできるんじゃないかと思ったのがきっかけです」と、語る。施設の利用者は、自然栽培の「コシヒカリ」や佐渡の特産品「番茶」のほか、柿、トウモロコシ、じゃがいもなどを幅広く栽培。地域の農家の繁忙期に手伝いに行ったり、高齢化によって手放すことになった農地を受け継いだり、地域の農業を支える存在だ。「冬場は、高齢者のお宅へ除雪をしに行くこともありますよ。農業の分野だけではなく、地域の暮らしを守っています」と、後賀田さんはやさしく微笑む。
佐渡の豊かな自然環境を守る「自然栽培」
愛らんど両津では、農薬や肥料に頼らない「自然栽培」に取り組んでいる。佐渡の豊かな自然環境の中で、作物や土壌が本来持っている力を引き出す農法だ。佐渡では、JAが主体となって、2017年に「自然栽培研究会」を設立。後賀田さんも所属しており、会員同士で自然栽培についての情報交換が盛んに行われている。「佐渡では、トキと共存するための『生きものにやさしい米づくり』を推奨しています。田んぼに生きものの生息環境を作り出すことで、自然の生態系を守る取り組みです」と、後賀田さんは語る。中でも、愛らんど両津が力を入れているのは、「江(え)」を作ること。江は、田んぼの脇に掘られた水を溜める溝のことで、魚や昆虫などの棲み処となるそうだ。「田んぼに昆虫が増えることで、害虫を食べてくれるというメリットもあります。地域の農家さんと協力して、定期的に江のそうじを行い、生きものにやさしい環境を整えています」と、後賀田さん。佐渡の豊かな自然環境を守りながら、自然の恵みたっぷりのコシヒカリを届けている。
生産者紹介

サービス管理責任者後賀田一則
佐渡市出身。JA職員として働いていた頃、福祉施設で障がい者の就労支援を経験。その後、佐渡市の就労支援施設の立ち上げに携わる。さまざまな形で福祉と関わる中で、障がい者が農業分野で活躍する場を設け、就労や社会参加を促進する「農福連携」に着目。2013年に、「愛らんど両津」の前身となる事業所を設立した。障がい者の「自律と自立」を支援しながら、地域農業への貢献が認められ、「ノウフク・アワード2021」で審査員特別賞を受賞。利用者とともに、地域の農業を支えている。
店舗詳細
店舗名称 | 愛らんど両津 |
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住所 | 新潟県佐渡市立野252 |