いつものごはんがおいしくなる
おすすめ「深雪なす」をはじめとして、なす漬けを3種類作っています。違いは、なすだけです。
自畑の大きめが「水茄子漬」、小さめが「つたえおばあちゃんのなす漬け」になります。
高級タイプが北魚沼農協のブランドなす「深雪なす」です。
「水茄子漬」は、地元からは「私には大きすぎ」て、都会からは「小さいけど想像以上に美味しい」というコメントが多いようです。
「食べ比べたら、やっぱり深雪なす」と地元魚沼で言われている深雪なすですが、日本中では知っている方は、とても少ないです。
一つには、豊洲市場など東京が主な出荷先であること、二つには東京でも高級スーパーにしか並ばないと言われていること、極めつけは最初から生産者が多くはないことが理由としてあげられます。
もう半世紀ほどの歴史があるのにもったいない事です。そうそう、もったいないといえば、なす漬けがなかったのも、もったいない事でした。生ではお土産にできませんものね。
誰が言い始めたのか、都市伝説までありました。深雪なす漬けを作ると、あるところから請求書が届くというものです。実際になす漬けがないのですから、私も作ってはいけないものと信じていました。
「うちの商標をお使いです、このままご使用いただくには、使用料をお願いします。お支払いいただけない場合は裁判所でお会いしましょう」なんてことに巻き込まれたらいやですよね。
その都市伝説も、深雪なすラベルのなす漬けが、直売所に並んだことで終わりました。
「作っても良いのか」と私は思いました。
そのなす漬けは魚沼から見れば、都会の食品メーカーが作っていました。深雪なす生産者が残念そうに「家族に2個ずつ買った。1個目を戻しはしなかったが、2個目には誰も箸を出さなかった」と言っていました。
もしかしたら、一番大きかったのは「水」だったかもしれません。水のまずさは、田舎から都会に行くと必ず思うことですから。
私は魚沼でも山あいの宇津野に住んでいます。飲み水は山からの湧き水です。
水で都会に勝てます。深雪なす生産者が納得するなす漬けを作るとしたら、自分しかいない。
ただ、迷いもありました。「つたえおばあちゃんのなす漬け」と差別化ができるのか?
その判断は食べたお客様に任せることにして、
魚沼で唯一、深雪なすを使った「まるつたのなす漬け 深雪なす」ができました。
その後に「水茄子漬」を作りました。畑にはどうしても大きいなすができますが「つたえおばあちゃんのなす漬け」は小さめが基本なのです。
それに一晩で大きくなるなすは、実が濃いから根から養分が集まると、先輩農家から教わりました。
そのとおりなら「水茄子漬」の方が「つたえおばあちゃんのなす漬け」よりおいしいはずです。
あくまでも私の見解ですが、ビールでは、「塩味が弱い」となります。
「なす漬けでいつものごはんが、もっと美味しくなる」ごはんのお供をおすすめします。
50代から親の手伝いを10年ほど、2020年自身の仕事として本格スタートしました。70代、80代と続けて、生涯現役を名乗るのも楽しいかなと思っています。よろしくお願いします。
魚沼のなす漬け農家
農房 丸蔦食品
星 義美
(のうぼうまるつたしょくひん)
(ほしよしとみ)