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新潟県北部の日本海に浮かぶ離島・粟島で漁業を行っている水産会社。100年以上受け継がれる伝統の定置網漁で、真鯛やブリ、タラなど四季折々の天然魚を漁獲している。

粟島定置 熟練の技術と抜群のチームワーク

海の幸に恵まれた「粟島」

粟島は新潟県北部の日本海に浮かぶ離島。本土からフェリーで約90分、35km離れたところに位置し、全域が岩船郡粟島浦村に属する。周囲がわずか23kmの小さな島で、人口は約350人。海と山に恵まれた雄大な景観や、国の天然記念物に指定されているオオミズナギドリの繁殖地があるなど、島ならではの景色が広がっている。そんな粟島の魅力は何と言っても「海の幸」だ。粟島の海は、南からの暖流と北からの寒流が交じり合う影響で多種多様な魚が集まる。日本海の荒波に削られてできた複雑な岩礁は、魚の格好のすみかだという。また、秋の風物詩として親しまれるのが「磯ダコ捕り」。竹棒を揺らしておびき寄せ、タコが巻き付いた瞬間を狙ってすくう漁である。体験イベントも開催され、子どもから大人まで人気を集めている。

伝統の定置網漁を受け継ぐ水産会社

「粟島定置」は、粟島の海で漁業に取り組む水産会社。島で100年以上受け継がれる「定置網漁」という漁法で、夏は花鯛・キジハタ・イナダ、冬はブリ・タラなど、四季折々の天然魚を漁獲している。中でも、目玉は真鯛。粟島は別名「鯛の島」とも呼ばれ、春は産卵のために近海に集まる真鯛の水揚げが最盛期を迎える。荒れた日本海を泳ぐ真鯛は、運動量が多いことから身がしっかり締まっているのが特徴だ。プリプリとした歯ごたえ、旨味と甘みが抜群。島の民宿や旅館の夕食では、そんな粟島定置が漁獲した旬魚がズラリと並ぶ。宿泊客からは「お刺身の鮮度が抜群」「一度食べたら忘れられない」と、絶賛されている。

環境と魚に優しい「定置網漁」

「定置網漁」とは、海中に網を設置し、回遊する魚群を誘い込むことで漁獲する漁法のこと。魚の習性を読んで網を定位置に張っておくため、「待ちの漁」とも呼ぶ。魚を網に絡めとる「刺し網」や、囲い込んで巻き上げる「巻き網」といった漁法と異なり、過剰な漁獲にならないことから、 継続的な漁業が可能な環境に優しい漁法といわれている。また、「定置網漁は魚に与えるストレスが少ないですね」と、代表の前田悦春さん。ゆっくりと時間をかけて網を手繰り寄せていくことから、海面に上がる直前まで自由に泳いでいるのが特徴。魚同士の接触が少なく、傷がつきにくいため、新鮮な状態で漁獲することができるという。

  • 粟島定置
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生産者紹介

代表:前田悦春
代表前田悦春

岩船郡粟島浦村出身。高校卒業後、粟島浦漁業協同組合に入職。漁師が漁獲した鮮魚を出荷する仕事を担当していた。2003年、漁師の道へ進むため独立。有限会社粟島定置を立ち上げた。起業の理由について、「漁師は漁期が終わると島の外へ出稼ぎに行ってしまいます。それでは島の経済が回らないと思ったんですよね」と、前田さん。漁師の生活スタイルを安定化させ、持続可能な漁業を目指しているという。「島の人口減少とともに漁師も減っています。100年以上続く定置網漁を受け継いでいけるよう、社員一丸となって頑張っていきたいですね」と、笑顔を見せた。

店舗詳細

店舗名称 粟島定置
住所 新潟県岩船郡粟島浦村123番地1