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東京から佐渡へ移り住み、自然に寄り添った昔ながらの農法で、米や雑穀を育てる農家。冬には島に自生する竹を使い、暮らしの役に立つ竹細工を手がけている。

いつくの郷 佐渡の風景に惹かれ、移住を決意

佐渡の自然と共に生きる農家

日本海に浮かぶ佐渡ヶ島は、対馬暖流の影響で夏は涼しく、冬は暖かい海洋性の島。四季の移り変わりが豊かで、自然の流れに沿った農業が盛んに行われている地域だ。「いつくの郷(さと)」は、そんな佐渡市で、農薬や肥料に頼らない自然栽培に取り組む農家。昔ながらの瓦屋根の家が続く日本の原風景に一目惚れし、2010年に夫婦2人で東京から移住した。その後2014年に就農し、米や大豆、小豆、胡麻、荏胡麻、マコモ、ハトムギなどを栽培している。また、稲刈りを終えた冬は、雪と季節風が島を包む農閑期。この時期の仕事として選んだのが、「竹かごづくり」だった。職人のもとで4年ほど修行を重ね、2023年に独立。農業と工芸、1年を通して2つの手仕事に取り組んでいる。

地元の素材で手づくりした竹かご

竹かごづくりは、素材選びからはじまる。使うのは、佐渡に古くから自生している稀少な竹「メグロ竹」。竹林を歩き、虫食いがなくまっすぐで、節と節の間が長い竹を見極めていく。伐採したあとは、小刀で竹を細く削り、棒状の材料「ひご」を作る。薬剤も機械も使わず、竹の採取からひごへの加工、編み上げまでを一貫して手仕事で行うのがこだわりだ。目指すのは、暮らしの役に立つ道具。職人として腕を磨きながら、日々の生活に馴染む竹かごを少しずつ形にしている。中でも手のかかる一つが、茶葉を煮出すための竹かご「茶てまり」だ。形状が繊細な分、使うひごはとても細い。均一な太さに削りのは神経を使う工程で、仕上がりの美しさと使い心地を左右するそうだ。人の手で一つ一つ編んだ竹かごは、使うほどに馴染み、色つやを深めていく。佐渡の自然と職人の技術が詰まった暮らしの道具だ。

  • いつくの郷
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生産者紹介

職人:笈川元枝
職人笈川元枝

2010年に夫と共に東京から佐渡へ移住し、2014年に就農。「いつくの郷」を立ち上げる。「夫婦共にアレルギー体質で、食を見直すことからはじめました。その中で自然の摂理に沿う自然栽培に興味を持ち、農家になることを決意しました」と、笈川さんは語る。未知な部分が多く手間ひまのかかる自然栽培だが、問題を一つ一つ解決し、乗り越えていくことに喜びを感じているそうだ。現在は、農家の冬仕事として竹かごづくりにも注力。佐渡の豊かな自然の中で、手仕事の幅を広げている。

店舗詳細

店舗名称 いつくの郷
住所 新潟県佐渡市泉乙11-1