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障がい者の就労支援を行う福祉施設。利用者と地元農家が農業に取り組む「農福連携」を導入。春の田植え時期には除草、秋は収穫を手伝い、コシヒカリを栽培している。

杉の子工房 鎌を使って、稲を丁寧に手刈り

利用者の社会参加や自立を目指す福祉施設

三条市の「杉の子工房」は、1983年に設立された福祉施設。主な事業内容は、「就労移行支援」と「就労継続支援」だ。「就労移行支援」とは、利用者の就労を目的とし、必要な知識やスキルの習得をサポートするサービスのこと。一方、一般就労が難しい利用者を対象とするのが、「就労継続支援」。施設にて、継続的に働く場を提供している。同施設がある三条市は、全国に誇る金物の街だ。金属加工会社から家庭用品や工具などの製造を受託し、利用者が作業しているという。2018年からは、一般企業に就労した利用者のサポートをする「就労定着支援」を導入。企業に勤める際の課題を把握し、解決に必要な支援をしている。理念に掲げるのは、「個々の能力や特性に応じた就労支援・生活支援を行い、社会参加や自立を目指すこと」。施設内のみならず、屋外での作業にも力を入れている。たとえば、スタッフと共に取り組む、さつまいも栽培。利用者自らが苗を植え、収穫までを行っている。また、そのさつまいもを使ったお菓子も製造。月に一回の販売会では、サブレやマドレーヌが人気を集めているそうだ。

農福連携で育てるコシヒカリ

屋外活動にも取り組む「杉の子工房」は、「農福連携」を取り入れた就労サポートもしている。農福連携とは、利用者が農業分野で働くことで社会参画を促す取り組みのこと。同施設は、地元農家「ファームフレッシュヤマザキ」の米作りに参加。育てる品種は、新潟のブランド米「コシヒカリ」だ。春の田植え時期には除草、秋は収穫を手伝っている。「農作業は施設内の作業に比べて開放感があります。利用者は、農家の皆さんと触れ合いながら、生き生きと作業に励んでいます」と、所長の鈴木さん。また、農家からも「昨今、農業は人手不足が深刻です。施設の皆さんが楽しそうに手伝ってくださるのは、本当に助かるんですよね。農業は楽しむことが一番ですから!」と、喜びの声が上がっているそうだ。働く場を求める施設の利用者と、人手を求める農家、お互いのニーズが合致するのが農福連携の魅力ともいえる。そんな両者が、風通しの良い越後平野で育てる米は、大粒で旨味が濃厚。「炊き上がりの香りが良い」「粘りが抜群」と、好評だ。

  • 杉の子工房
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生産者紹介

所長:鈴木泰子
所長鈴木泰子

三条市出身。もともとは家業の電気店で家電を販売していた。大型量販店が増えてきたことをきっかけに、興味を持っていた福祉の道へ進むことを決意。特別養護老人ホームに20年ほど勤めた後、2020年に杉の子工房に入職した。「利用者に優しく寄り添うのが、福祉の仕事。意外にも、電気店時代にお客さんの悩み相談にのっていた経験が活きているんですよ」と、明るく笑う。そんな鈴木さんの趣味は絵を描くこと。昼休みに絵を描いている鈴木さんの姿を見て、絵画に興味を持つ利用者もいるそうだ。「何気ないことで、利用者の意外な個性を発見できるのが楽しいですね」と、やりがいについて語ってくれた。

店舗詳細

店舗名称 杉の子工房
住所 新潟県三条市西本成寺1丁目28-31