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新潟市東区にある漬物工房。大根・白菜などを定番に、新潟名物「十全茄子漬け」や、なんと「メロン」「かぼちゃ」の漬物なども手掛けているとてもユニークな工房だ。

越後漬物工房 舞舞 早朝の市場で仕入れた新鮮な茄子を漬ける

「素朴な味わい」で人気の漬物工房

新潟市東区の「舞舞(まいまい)」は、3代目の野沢匡伯さんと妻の潤子さん、2人で切り盛りしている漬物工房だ。創業は、1959年(昭和34年)。当初は「たくあん」のみだったが、当時から取引先が多かったという。現在でも、卸先は量販店・業務用スーパー・居酒屋など幅広い。現在の主力商品は、茄子・白菜・キュウリ・大根の漬物。「どれも素朴な味わいながら美味しい」と大好評だ。しかし他にも、舞舞の人気には秘密がある。それは、他ではなかなか見かけない、とてもめずらしい漬物の存在だ。例えば、メロンの幼果漬け。摘果作業で摘み取られた、まだ小さいメロンを塩漬けにしたもの。とてもやわらかい食感と、引き立つ甘味が美味しいと好評の隠れた逸品である。また、生のまま食べられるカボチャ「コリンキー」の塩漬けは、コリコリした食感が面白いと人気を集めている。

「塩もみ」と「漬け込み」にこだわる十全茄子漬け

定番から変わり種まで手掛ける「舞舞」の看板商品は、新潟の夏の風物詩「十全茄子漬け」。みずみずしく、ほどよい塩味が美味しいと評判の一品だ。シーズン中には、なんと10万個も出荷しており、漬けても漬けても追いつかないほど売れているという。主な原料は、地元産と魚沼産の十全茄子。毎朝、市場に赴き、品質を見極めながら仕入れているこだわりっぷりだ。しかし、「一番大切なのは、じつは『作り方』なんです」と、代表の野沢さん。ポイントは、「塩もみの繊細さ」と「漬け時間」にあるという。
まず、塩もみ。茄子10kg・塩・ミョウバンを入れた樽を、両手で抱えて、全身を使って揺すっていく作業だ。こうすることで、茄子の表面を研磨するように薄く傷つけ、茄子本来の「鮮やかな瑠璃色」と「爽やかな香り」を引き出す。このとき、荒っぽく揺すってしまうと、茄子が過剰に傷ついてしまい、変色や傷みのもととなってしまうのだ。「見極めるポイントは、皮の厚みと、色にあります。皮が薄ければやさしく揺すりますし、厚ければ揺する回数を増やします。どんどん色が変わっていく中で、ちょうどいいところで止める。この微調整が、大切なんです」と、野沢さんは教えてくれた。次に、漬け込み。美しい艶の出た茄子を、塩水に漬けていく作業だ。漬け時間は、一般的に一晩であることが多い。しかし舞舞では、塩加減を甘く調整し、丸2日間も漬け込んでいる。こうすることで、塩が均一に染み込み、味のバラつきがなくなるそうだ。
こうして完成した舞舞の十全茄子漬けはとても好評で、食べた人から「美味しくて感動しました」という手紙が送られてくることもあるそうだ。代表の野沢さんは、「茄子漬けの時期はすごくハードですけど、美味しかったと言ってもらえるとやっぱり嬉しいですよね」と笑顔を見せた。

だしの風味を効かせた、やさしいキムチ

舞舞は、創業以来、塩漬けを専門にしてきた。しかし、1990年頃、当時ブームとなっていた「キムチ」をラインナップの一つとして取り入れた。現在では、十全茄子漬けに次ぐ、人気第2位の商品にまで成長している。こだわりは、なんと「和風だし」を入れること。唐辛子やニンニクで作ったキムチの素「ヤンニョム」に、サバ節・カツオ節・煮干しから取っただし汁を加えるのだ。こうすることで、旨味のあるピリ辛の中に、芳醇な風味を感じられる味わいに仕上がる。この工夫は、3代目・野沢さんの「子どもからおじいちゃん・おばあちゃんまで、幅広い世代に食べてほしい」という思いから。「キムチが苦手」という人からも、好評を得ている。さらに、提供先の高齢者向け福祉施設でも「辛さが抑えてあって、他のキムチよりも食べやすい。とても美味しい」と大好評だそうだ。

  • 越後漬物工房 舞舞
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生産者紹介

代表:野沢匡伯
代表野沢匡伯

新潟市中央区出身。地元の高校を卒業後、家業の漬物工房に入り、代々培われてきた漬物作りの技術を受け継ぐ。1990年頃、全国的なキムチブームを受け、従来の商品に加えて新たにキムチの製造にも挑戦。「せっかく食べてもらうなら、老若男女いろいろな人に食べてほしい」という思いから、和風だしを使った、やさしい味のキムチを考案する。2021年、「越後漬物工房 舞舞」としてネット通販もスタート。「工房名は、長女の幼少時代のあだ名から付けました。漬物とキムチが美味しいマイマイさん、と気さくに呼んでもらえるような工房にしていきたいです」と語っている。

店舗詳細

店舗名称 越後漬物工房 舞舞
住所 新潟県新潟市東区南紫竹1-10-4