星峠の棚田を守る会
新潟県十日町市 店舗ジャンル:農家・農業法人「星峠の棚田」を守るために、2013年に発足。棚田の景観や米作りを守り、次世代へ受け継ぐ活動を積極的に行っている。他にも、稲作体験などを開き、棚田の魅力を発信する。

300年以上の歴史を持つ棚田を守りたい!
山斜面に大小さまざまな形の田んぼが200枚ほど広がる、十日町市の「星峠の棚田」。美しい日本の原風景を眺めようと多くの人が訪れている。この星峠の棚田の米作りは、300年以上にわたり受け継がれてきた。高齢化や担い手不足が進み、年々難しくなっている棚田の維持と米作りを次世代へつなげようと、2013年に地元の有志が集まり、「星峠の棚田を守る会」を発足。先人達が築いてきた知識や技術の継承に、日々奮闘している。「この土地の人々が営んできた文化や景色は、同じように作ろうと思ってもできないもの。絶やさず未来へ残したい」と、会長の粂井貴志さん。送料や販売手数料を除いた米の売り上げの25%は、棚田の保全費用として活用され、景観整備や棚田の維持管理に充てられる。また、米作りを後世に伝えるため、生産者が安心して農業を続けられる環境作りや移住者の受け入れなどにも力を入れている。
みんなで作り、未来へつなぐ
2025年から、全国から米作りや保全活動に参加したい人を募集して、「守り隊」を結成。過疎化が進むなかで、多くの人が星峠の棚田に関わることができる環境を整えたいと始めた取り組みだ。「守るだけではなく、未来へつないでいくことが大切なんです」と、力強く語る粂井さん。守り隊の活動では、無理をせず、楽しみながら、米作りや保全活動に参加してもらうことを目指している。田植えや草刈り、稲刈りなどを体験できるそうだ。この活動の一番の願いは、「作業を通して、星峠の棚田を好きになってもらうこと」。粂井さんは、「故郷と呼べる場所は、いくつあっても良いと思うんです。この土地に故郷のような愛着を持つ人を一人でも多く増やし、棚田を次の世代へつないでいきたい」と、意気込む。
生産者紹介

会長粂井貴志
群馬県出身。長岡造形大学を卒業後、広告代理店に勤め、現在は群馬県と新潟県でデザイン事務所を運営。群馬と新潟の2拠点生活を送る。「星峠の棚田」との出会いは、大学時代からの友人が、この地域の出身だったことがきっかけ。「先人たちが作り上げてきた絶景に感銘を受けました。歴史や文化、暮らす人々の思いが詰まった棚田を守っていきたいと思ったんです」と粂井さん。保全活動や課題解決に取り組み、地域住人から要望があった宿泊施設を2019年にオープン。翌年からは、自身も米作りに励んでいる。「星峠の棚田で米作りをする人を増やしたい。そのために、生産者の所得向上や農家と食卓を直接繋ぐ仕組み、地域以外の人も関わるきっかけを作っていきたい」と、情熱的に語った。
店舗詳細
店舗名称 | 星峠の棚田を守る会 |
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住所 | 新潟県十日町市峠754‐2 |