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「新大コシヒカリ」をはじめとした米や野菜を栽培する、新潟大学農学部に附属する農場。「農業のDX化」を大きなテーマとして、学生の教育・研究を行っている。

新潟大学農学部附属農場 農学部の現場教育の活動拠点「フィールド科学教育研究センター」

農業のDX化に取り組む、農学部附属農場

新潟大学農学部の附属農場の一つが、新潟市西区の郊外にある。そこでは、米や野菜などの農作物が栽培されている。教授・山崎将紀さんに話を伺うと「農学部には農場の設置義務があります。学生がフィールドワークを行うなど、教育や研究の場として活用しています」と教えてくれた。近年、新潟大学農学部が取り組む大きなテーマの一つに「農業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)化」がある。農業のDX化とは、デジタル技術を活用して、農業の作業効率を上げる取り組みだ。「例えば、『可変施肥田植機』。圃場のマップデータを取り込むことで、場所ごとに作土深・肥沃度・水温などを測定して、施肥量を自動で調整してくれる田植機です。これを利用することで、前年度の10%ほど肥料を削減することができました」と山崎さんは語る。ほかにも、自動運転機能を搭載した耕うん機など、高度な機器を多数導入。最先端の農業体験を通して、持続可能な農業の発展と、高度な資質や能力を備えた人材の養成を目指している。

暑さに負けない期待の品種「新大コシヒカリ」

新潟大学農学部の研究グループによって、約20年かけて開発された品種「新大コシヒカリ」。もっちりとして甘みが強く、今までのコシヒカリに比べて暑さに強いのが特徴だ。「美味しい米の代名詞にもなっているコシヒカリですが、近年の猛暑による高温障害で一等米比率が大きく低下しています。これは、稲が成長過程で異常な高温に晒されることで、米粒が白く濁る『白濁化』が生じるためです」と、山崎さんは語る。「なぜ白濁化が起こるのか」に着目して研究を進め、そのメカニズムを突き止めることで、高温下でも品質が変わらないコシヒカリがついに誕生。栽培の手間も今までのコシヒカリとほとんど変わらないため、農家の負担が増えることもないという。山崎さんは「環境は刻一刻と変化していきますが、新潟の美味しい米はこれからも守り続けていきたいですね」と、笑顔の奥にまっすぐな想いを覗かせた。

  • 新潟大学農学部附属農場
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  • 新潟大学農学部附属農場
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生産者紹介

教授:山崎将紀
教授山崎将紀

福岡県北九州市出身。高校生の時に将来の食糧問題を見据え、九州大学農学部に進学。学位取得後、神戸大学にて助教・准教授として在籍し、2022年に新潟大学農学部の教授に着任する。「日本人ならやっぱり稲の研究をしたい」と考え、稲を用いて遺伝と育種に関する研究を行っている。研究対象としての米はもちろん、食べる米も好きで、自宅でもさまざまな品種を食べ比べして楽しんでいるという。「酸化しないよう玄米で保存しておいて、食べる前に自宅の精米機で精米しています」と語る山崎さん。そのこだわりぶりからは、米に対する並々ならぬ愛が感じられる。

店舗詳細

店舗名称 新潟大学農学部附属農場
住所 新潟県新潟市西区五十嵐2の町8050