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ものづくりの町「燕市」でも数少ない圧延加工を手掛け、世界が認める金属素材メーカー。刃物用ステンレスの加工や、自動車産業機械や宇宙・航空分野の受託加工でも活躍。

アイチテクノメタルフカウミ株式会社 国内でも数社しかない刃物向けクラッド鋼の素材メーカー

特殊な圧延技術を持つ金属素材メーカー

世界的にも有名なものづくりの町「燕市」にあるアイチテクノメタルフカウミ株式会社は、「圧延加工」という特殊な技術を持つ金属素材メーカー。主に、刃物に使われるステンレス鋼板や、クラッド鋼板(複数の金属を接合して1つの鋼板にしたもの)の製造を手掛けている。圧延加工とは、2つ以上の回転するロールに金属板を通し、文字通りに圧力を加えて金属を引き延ばす加工技術。かつて、燕三条地区には50~60社もの圧延加工会社がひしめき合っていたそうだが、現在では、数社のみが「圧延」の技術を継承している。

世界に評価された刃物向け鋼板の製造技術

アイチテクノメタルフカウミ株式会社は、大手製鋼メーカーが手掛けていない、「厚さ4mm以下」の圧延加工を得意としている。当初、加工が難しいとされた刃物向けステンレスの加工にいち早く取り組み、技術力を培ってきた。また、自社商品の「レターオープナー」にも、異なる金属を組み合わせて作る日本刀の製造技術を応用。数種類のステンレスを組み合わせることで、切れ味よく仕上げている。こうした取り組みを積み重ねた結果、アイチテクノメタルフカウミ製の鋼板は、燕三条の刃物メーカーのみならず、日本を飛び出し世界からも高い評価を受けるまでになった。現在は、その高い技術力を活かし、精密さを要求される「自動車産業機械」や「宇宙・航空分野」の素材の受託加工も行っている。「目指すは小さな世界企業!」と意気込む代表の遠藤さんは、自社商品の開発にも挑戦中。既存の製品に捉われない新規性の高い商品を生み出し、海外展開も行っている。

クラッド鋼の特徴・美しさから生まれた製品

アイチテクノメタルフカウミ株式会社の強みは、親会社である愛知製鋼のオリジナルの高級刃物用鋼「AUSシリーズ」や、2種類以上の金属を接合させた「クラッド鋼板」にある。他では作れない製品を手掛けることで差別化を図ってきたのだ。2017年には、愛知製鋼との協業でクラッド鋼板のさらなる活用方法の模索と認知度向上を目的にプロジェクトを発足。会社・部署の枠を超えた多様性の高いメンバーのアイデアを集約することで、新たな価値の創造に取り組んでいる。まず着目したのが、クラッド鋼に加工する際に生み出される「模様」。これを「美しい装飾」ととらえて誕生した製品が「箸置き」だ。銅・ステンレスの2種類の金属を圧延で重ね合わせ、同じ模様が2つとない製品に仕上げている。東京ギフトショーや、ドイツで開催された世界最大級の国際見本市「アンビエンテ」へ出展。独特な模様や技術力が高い評価を受けた。クラッド鋼の製造技術の向上とPRに、ますます力を注いでいる。

  • アイチテクノメタルフカウミ株式会社
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生産者紹介

営業技術課:波田野英毅
営業技術課波田野英毅

新潟市出身。上海への語学留学や日用品の輸出事業に携わった経験を持つ。帰国後の2014年に、アイチテクノメタルフカウミ株式会社へ入社。これまで培った経験を活かし、営業として海外の展示会などに積極的に参加。クラッド鋼板や高強度ステンレス銅板など、自社が誇る特殊圧延加工技術のPRに努めている。「クラッド鋼は2つ以上の金属を組み合わせて作られるため、そのバリエーションはとても豊富で、大きなポテンシャルを秘めていると感じています」と熱く語る波田野さん。世界中のメーカーにクラッド鋼の良さを知ってもらうべく、世界を股に掛けて仕事をしている。

店舗詳細

店舗名称 アイチテクノメタルフカウミ株式会社
住所 新潟県燕市吉田下中野1483
営業時間 8:30~17:30
定休日 土・日