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海鮮の町として知られる長岡市寺泊地区にて、米作りを手掛けてきた農業法人。広大な田んぼを活かし、じつに多くの品種の米を育て、加工品生産と販売にも挑戦している。

株式会社高橋農産

じつに多くの品種を育てる米栽培の農業法人

高橋農産は、長岡市寺泊地区にて古くから米作りをつづけてきた農業法人。2013年の法人化以前から、耕作面積14haという個人農家としては広いほ場を管理してきた。さらに現在は、なんと60ha以上もの田んぼを持っているという。寺泊地区一帯の個人農家が平均2~3haのみを耕していることを考えれば、その広さを想像できるだろう。高橋農産が多くの田んぼを管理するようになったきっかけは、地域農業の縮小にあった。飽食の時代に米の価格が低下する中、農家の高齢化は進み、このままでは耕作放棄地が増えていくことが目に見えている。高橋農産は、この状況をなんとか脱すべき危機であり、自分たちの成長のチャンスでもあるととらえた。ほ場を増やせば、管理が大変になるが、こだわりの米をより多く生産できるためだ。加えて、栽培する品種を増やすことにも挑戦中。定番の「コシヒカリ」「こしいぶき」「新之助」に加え、業務用米のゆきん子舞、希少品種となった「従来品種コシヒカリ」、もち米の王様「こがねもち」、めずらしい「ミルキークイーン」「いのちの壱」など、じつに多くの品種を栽培している。「『もっと美味しい米はないか』という声もいただいています」と、語る代表の高橋さん。ますますの農地拡大に向け、意欲を燃やしている。

SDGsにも通じる、食の安全への取り組み

地域でも広大な農地を持つ高橋農産は、先進的な農業に取り組む農業法人でもある。その一例として挙げられるのが、「JGAP認証」の取得だ。この認証は、日本GAP協会の定める農業生産工程管理のこと。農業の持続性に向けた7つの取り組みとして、「食品安全の確保」「環境保全の確保」「信頼される農場管理」「作業者の安全確保」「作業者の人権福祉」「家畜衛生の確保」「アニマルウェルフェアへの配慮」といった基準を設けている。近年注目される「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成にも通じ、ますます重要視されている認証だが、その審査を乗り越えて取得する日本の農家はまだまだ少ない。高橋農産では、管理基準が従業員ごとに異なるリスクを減らし、より安全な米を消費者に届けるために導入。スマートフォンを使って効率化を図るなどしながら、毎日必ずチェックしているという。

6次産業化にも挑戦。加工品が大人気!

先進的な農業に取り組む高橋農産は、米の栽培のみならず、加工から販売まで行う「6次産業化」にも取り組んでおり、地域でも先駆け的な存在だ。作っている商品は、定番の「餅」に加え、新潟名物の「笹団子」や、京都の製餡所の餡を包んだ「大福」、最高級品種のこがねもちを使った「赤飯」「五目おこわ」など。もともと、米を購入していた人を中心に高い人気を博している。特に餅は、ネットショップを中心に大好評だ。「今後も、さらなる品質向上を目指していきます」と代表の高橋さん。瞬間冷凍庫を利用し、笹団子・大福・赤飯・おこわなどを美味しさそのままに凍らせ、本来のシーズン外でも旬の美味しさを味わってもらえるようにするなど、さまざまなアイディアを構想中だ。

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生産者紹介

代表:高橋直也
代表高橋直也

長岡市出身。新潟大学農学部にて、スマート農業に通じるリモートセンシングを研究。卒業後は、全農新潟にて3年間勤務し、米の卸業務に携わった。入社当初から、3年後に実家の田んぼを継ぐと考えており、有言実行して就農した。当時、地域農家には次世代を担う若者が少なく、「逆に、この土地で挑戦するのも面白いな」と考えていたという。代表に就任した後は、従来の農業からの脱却を目指し、先進的な活動に取り組みはじめた。「『農家』ではなく『企業』として認めてもらうために、努力を続けたい」と語る高橋さん。米の品質向上・安定生産はもちろん、食の安全への配慮や、6次産業化にも果敢に挑戦している。

店舗詳細

店舗名称 株式会社高橋農産
住所 新潟県長岡市寺泊蛇塚324