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果樹栽培が盛んな新潟市江南区にて、100年以上にわたって梨を栽培する農家。その数は、約20品種にも及ぶ。小阿賀野川がもたらす水で育った梨は、とてもみずみずしい。

仙六農園 一玉一玉、熟度を見極めて収穫

約20品種の梨を手がける果樹農家

新潟市江南区を流れる小阿賀野川は、福島や津川からもたらされる栄養豊富な水が注ぎ込む清らかな川。果樹栽培にとって最適な環境とあり、川沿いには果樹農家が多く連なっている。江戸時代から続く仙六農園もその一つだ。もともとは米農家だが、100年ほど前から梨も栽培している。掲げるキャッチコピーは、「越後の一滴」。9代目の佐藤干城さんは、「新潟の梨栽培の歴史は古いんです。一滴一滴に思いを込めて、ジューシーな梨作りに励んでいます」と、語る。手がける種類は幅広く、早生品種の「新水」「なつしずく」から始まり、定番の「豊水」「新高」、新潟の冬の味覚「ル・レクチェ」まで、約20品種。シーズンになると、農園の直売所は大賑わい。どの梨も「みずみずしい」「果汁がたっぷり」と、評判だ。

新潟県のオリジナル品種「新碧」

数多くの梨を扱う仙六農園は、「新王」「新美月」「新碧(しんみどり)」といった新潟のオリジナル品種も栽培している。「新碧」は県が19年もの歳月をかけて開発し、2021年に誕生した品種だ。果皮の色が美しい緑色の青梨で、あふれ出す果汁がとってもジューシー。シャキッとした歯切れの良い食感と、強い甘みが魅力だ。「一度食べたら忘れられない」と、リピーターが絶えないという。

五感を頼りに果樹と対話

9代目の佐藤さんは、「小阿賀野川がもたらす水は、果樹栽培にとって欠かせない栄養分です。とはいえ、大事なのは、その水を与えるタイミングや量。それを誤ると、美味しい梨はできません。常に樹と対話することですね」と、こだわりについて語る。特に梅雨が明けた7月や8月は、常に水を絶やさないよう徹底するという。葉の大きさや果皮の香り、果実の硬さなど、五感を研ぎ澄ませながら観察。樹の健康状態を見極めて水を与えるからこそ、みずみずしくて立派な果実を実らせることができるのだ。

  • 仙六農園
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生産者紹介

9代目:佐藤干城
9代目佐藤干城

北海道出身。23歳の頃、新潟市江南区に移住し、就農した。「もともと新潟出身の父の姉夫婦が仙六農園を営んでいました。跡を継ぐために僕が新潟に来たんです」と、振り返る。3年間修業した後、同農園の9代目を継いだ。佐藤さんが掲げる目標は、新潟で栽培される果樹のブランド価値の向上。「作物はもちろんですが、人を育てる農家になりたい」と、語る。地元の農業界を盛り上げるため、地域農業のリーダー育成を目的にした青年農業士会に所属。新潟ブロックの会長を務めている。

店舗詳細

店舗名称 仙六農園
住所 新潟県新潟市江南区二本木1-6-38